過去拍手御礼部屋
□永遠なんていらなかった
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永遠など、いらなかった
千の果てに見つけた光
こんな感情はとうに捨てた筈なのに
出会わなければよかったと
たとえ夢物語でも願わずにはいられない
お前も俺を置いてゆくのだ
繰り返す輪廻の狭間で
忘れることはない
出会わなければよかった
それでもあの時
出会わずにいたら
俺はこれからを
絶望していたのだろう
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
永い永い時間を漂う。
永遠ともとれる程の“生”
静寂と孤独に慣れた闇の中に、鮮やかに飛び込んで来た光。
闇を切り裂く雷(いかずち)。
その姿は眩く、気高く美しい。
何故、俺の前に現れたのか。
空洞のようだった心に湧く、遥かな過去に置いてきた筈の想い。
それは苦いけれどどこか甘く、心をじわりと侵食してゆく。
―――苦しい。
あの光は、俺の心を惑わす。
見てはならない。
あの光は、俺の行く先を惑わす。
迷いのない輝きは、純粋にして魔性を秘める。
俺を捕らえて離さない光。
壊してしまえ。
黒く染めてしまえ。
闇に、取り込んでしまえばいい。
その心への囁きは、徐々に大きくなってゆく。
永遠ともいえる生の中、狂ってしまった心が描く、甘美な夢。
共には生きられぬ宿命(さだめ)なのに。
先に消えゆく魂は、たとえ手に入れても何時か零れて行ってしまう。
輪廻転生というものが本当にあるのなら、また巡り会えるのだろうか。
あの光輝く魂は、姿がどんなに変わろうときっと見紛う事はない。
―――苦しい。
身を焦がす想いは、俺の全てを焼き尽くす程に燃え盛る。
手に入らぬ光。
諦められぬ想い。
何故、俺の前に現れたのか。
けれど、出逢わなければもっと苦しかった。
それほどに、生きることに飽いて絶望していたのだから。
光輪―――
お前を探す為に生きよう。
いつか、光を手に入れるその日まで―――
-END-
《あとがき》
う〜ん
このテのは、書くのは好きですが難しいです…(´Д`)
しかし、悪奴征は暗いのでも病んでるのでも、甘甘でもなんでも好きですねー(^^)