過去拍手御礼部屋

□永遠なんていらなかった
1ページ/1ページ

永遠など、いらなかった

千の果てに見つけた光

こんな感情はとうに捨てた筈なのに
出会わなければよかったと

たとえ夢物語でも願わずにはいられない

お前も俺を置いてゆくのだ
繰り返す輪廻の狭間で
忘れることはない

出会わなければよかった

それでもあの時
出会わずにいたら
俺はこれからを
絶望していたのだろう




 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇




永い永い時間を漂う。
永遠ともとれる程の“生”

静寂と孤独に慣れた闇の中に、鮮やかに飛び込んで来た光。
闇を切り裂く雷(いかずち)。

その姿は眩く、気高く美しい。

何故、俺の前に現れたのか。

空洞のようだった心に湧く、遥かな過去に置いてきた筈の想い。
それは苦いけれどどこか甘く、心をじわりと侵食してゆく。


―――苦しい。
あの光は、俺の心を惑わす。
見てはならない。
あの光は、俺の行く先を惑わす。

迷いのない輝きは、純粋にして魔性を秘める。
俺を捕らえて離さない光。

壊してしまえ。
黒く染めてしまえ。
闇に、取り込んでしまえばいい。

その心への囁きは、徐々に大きくなってゆく。
永遠ともいえる生の中、狂ってしまった心が描く、甘美な夢。

共には生きられぬ宿命(さだめ)なのに。

先に消えゆく魂は、たとえ手に入れても何時か零れて行ってしまう。

輪廻転生というものが本当にあるのなら、また巡り会えるのだろうか。
あの光輝く魂は、姿がどんなに変わろうときっと見紛う事はない。


―――苦しい。

身を焦がす想いは、俺の全てを焼き尽くす程に燃え盛る。

手に入らぬ光。
諦められぬ想い。

何故、俺の前に現れたのか。

けれど、出逢わなければもっと苦しかった。

それほどに、生きることに飽いて絶望していたのだから。


光輪―――


お前を探す為に生きよう。
いつか、光を手に入れるその日まで―――


-END-


《あとがき》


う〜ん
このテのは、書くのは好きですが難しいです…(´Д`)

しかし、悪奴征は暗いのでも病んでるのでも、甘甘でもなんでも好きですねー(^^)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ