Short3

□naps.
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「おい、チョッパー…なぁにやってんだよ!おれがせっかくマーベラスな魚をだな…」


狙撃手がぷんぷん怒りながらキッチンに入ってくるも、すぐに口をつぐんだ。


料理人の膝の上で静かに眠る船医と、彼を抱えたまま寝息を立てる料理人の姿が狙撃手の目に飛び込んでくる。どうやら料理人はあの後つられて眠ってしまったようだ。


「お昼寝?」


「あー、そうみたいだ」


ちょうどキッチンに姿を見せた考古学者の質問に答え、狙撃手は笑顔を見せて料理人と船医の両方を毛布で包んだ。考古学者が優しく微笑む。


「気持ち良さそうに寝てるわ」


「だよなぁ」


狙撃手はポケットの懐中時計をちらりと見、二人を優しい目で見つめた。


後1時間で3時。おやつのプリンがちょうど冷え固まって美味しくなる時間だ。それまでゆっくり寝かせておいてやろう、彼等もプリンも。


狙撃手はそう決めてうんと伸びをし、考古学者も意図がわかったのかくすりと笑った。


「じゃあおれは引き続き一人寂しく釣りでもするかなぁ」


「ウソップ。私もしていいかしら」


「おー。珍しいな。ロビンも本読んでばっかじゃ身体に悪いからなぁ。身体動かさねぇと」


「ふふっ、いつも戦いで動かしてるわよ」


「たいてい手だけだろー。釣りはもっとこう、腕を存分に振り回して…」


そんなたわいのない話をしながら、毛布を一枚とって、狙撃手と考古学者は甲板に楽しそうに出て行った。


ぽかぽか暖かいキッチンは、気持ち良さそうな寝息のみが響き渡っていた。




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