Short4
□family life
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第二話
「サンジいいい!はやくきてくれぇえええ!!!」
さっきからぶるぶる震えながらぎゃーぎゃーわめくこいつはウソップ。うちのビビりな長っ鼻ウソつき三男だ。サンジー大変だーとか、毎度こいつには言われ慣れている。なにかあるとすぐおれを頼ってくるからな。まったく。
「なんだよ」
行ってみりゃ玄関の扉をかっちりと閉めながら、あいつは震えあがっていた。外には人影が三つばかり並んでいて、舌打ちだの扉を蹴る音だのが響いてくる。喧嘩でもふっかけたか?いやいやむしろこいつはふっかけられる方だ。
「…お前、何したんだ」
「な、何もしてねぇよ!ただ街で買い物してたら、つっかかってきて財布 取られそうになって!急いで逃げてきたら車で追っかけてきて…」
「……」
はい、ビンゴ。こいつはウソつきだが、こういうときはウソをつかねぇ男だ。にしても、単に財布を出す客なんぞ街にはあふれかえってるのに、あえてこいつを狙ったところをみるとなんかにおうな。弱そうだからか?いや、こんな珍妙な長っ鼻を選ぶなんてよっぽど物好き…。
…ん?妙に慣れてるがこういうことよくあるのかって?
あるさ。うち一般家庭じゃねぇからな。さらっと言っちまうけどな。
「仕方ねぇ。ぶっ飛ばして事情聴取と行くか」
「そ、そ、そうしてくれ。援護は任せろ」
がたがた震えながら言うウソップは後ろでパチンコを構えた。こいつは 妙な発明品が好きで、こういう小さな武器を作るのも得意なんだ。
…あー、普通一般家庭にゃ武器置かねぇよな。
でも、うちはさっきも言った通り一般家庭じゃねぇんで。何度も繰り返させねェでくれよ。
その理由教えろって?
でも、今は説明している暇はなさそうだ。
「おい!!!!」
扉を開けて、さぁ、と思ったところに響いた怒声。三つの影の後ろに、二つの影が並ぶ。
「うちに、何の用だ」
こりゃ、おれが出る幕じゃなさそうだ。
あいつらが、帰ってきたみてぇだからな。
―――
次回、あの二人が登場…。
あの二人?あの二人です。
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