償いの果ての海

□第3章〜奴隷と地獄の島〜
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――約束通り償いをしてもらいに来た。明日の昼頃船に行ってやる。貴様には断る権利はない。おとなしく俺様達の言うことに従っておけばそれでいいのだ。貴様には楽しむ権利も自由に生きる権利もない。
我が奴隷として生きさせてやる。ありがたく思え。


この手紙がキッチンの冷蔵庫にひっそりと隠されてあったのを考古学者が発見した。船員達の前でこれを読めばまた船長を苛立たせ、冷静な感情を欠落させかねないと思い彼女はそれを女仲間の航海士のみに見せた。


「あいつらどこまでサンジ君を虚仮にすれば気が済むの…!!」


航海士は激昂した。彼女もまた魚人の海賊に奴隷のように扱われていた日々があり、それと重ね合わせていたからだ。航海士は怒りに任せて手紙をくしゃりと丸め、ちぎり、ごみ箱に叩き込んだ。


「ルフィ達には、言わなくていいかしら?」


「いいわよ。ルフィや他の男共に見せたって何も変わらないわ。あいつらはいつだってシンプルよ。仲間を取り返して、敵をぶっ飛ばして終わりだから」


航海士が女部屋の窓を開けた。心地よい波風が彼女らの怒りを冷まそうと船室に吹き込んだ。



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