Short2

□鼻と眉毛の黒歴史〜ブラッククロニクル〜
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ウソップ工場支部は本日晴れの為順調に稼動中。暑い太陽の光をパラレルで遮りながら、かちゃかちゃとハンマーやドライバーを使うおれさまはメカニシャン。フランキーの次くらいにすごいと、あいつの名誉の為に言っておこう。ふふん。


「暑ィのによくやるな、熱中症になって鼻がのびてもしらねぇぞ、長っ鼻」


ことりと荒い言葉と一緒に置かれたドリンクに舌なめずりしちまう。サンジ特製職人ドリンク…っていっても中身はよく冷えたコーラなんだけど、こんな暑い中でならすっごくありがてぇ。


「サンキュー!!サンジは何やってんだ?」


「おやつの為にオーブンをあっためてる最中」


「おやつかー、なんだ?」


「さっくりふんわりパウンドケーキ」


「うぉぉ、うまそうだ!!いつできるんだ!?」


「そう急くなって」


「ヨホホ!」


おれとサンジの会話は、口許をよくみれば白く濡らしたブルックの楽しげな一言で遮られた。ブルックも同じく船番で、頑張って一味のメンバーの色んな歌を作ってるって言ってたんだ。


「お二人、仲がよろしいですねぇ」


「おいおいブルック、おれ達は仲間だぜ。みんなと仲良しに決まってんだろ」


「ヨホホ、そうですね。でも」


ブルックは紙とペンをウソップ工場支部の机の上に置いて、おれとサンジを交互に見たんだ。


「ここの皆さんは、すんなり馴染みますよねぇ」


「まァ、船長が船長だからな」


うん、ルフィはルフィだ…って意味がわからねぇよ。
ブルックはサンジの答えにうんうんと頷きながら、紙とペンを構えた。


「そこで!」


「どこでだよ」


「ヨホホ、手厳しいィ!とりあえずですね、私、サンジさんとウソップさんが仲を深めるようになった話が一つ知りたいのです。歌詞のきっかけとして」


「きっかけぇ?こいつと?」


なんでそんな不満な顔してんだ、サンジは。ルフィだったら『失敬だなお前っ!』って言うぞ。絶対言うぞ。
ともかくだ、話得意なおれさま、そう聞かれちゃ話さざるを得ないじゃないか。


「これはおれとサンジが金魚の…」


「あ、事実でお願いします」


「あ、ばれた」


「お前ら…」


サンジが呆れた目しておれ達の方を見てる。わ、わかったよ、真面目にいけばいいんだろ、真面目に。


「じゃあ、わかった!あの話しよう。サンジとおれが東の海で化け物に掠われた」


「却下。ありゃ黒歴史だ」


「まぁ、そうだけどよ…あん時でサンジが優しいってわかったんだぞ」


「……お前いいのか、あんなクソネガティブな、しかもくだらねぇ話しちまって」


「ゔ、そこは難しいな…」


おれとサンジが言い合いしてたら、ブルックが咳ばらいして話せってからっぽの目で訴え始めたんだ。そりゃあもう、じーっと。まじまじと。


「ど、どうしても?」


「どうしても!」


ブルックの訴えに負けて、サンジがため息ついて仕方ねぇな、っておれに促した。おれも仕方ねぇな、って言ってやって、話し始めた。



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