Short2
□If I had met his respect person?
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さんさんと太陽が降り注ぐサニー号甲板。まったりと煙草をふかす料理人は暑そうに太陽を隠していた。すると、その太陽を遮るかの如くひらりひらりと麦わら帽子が舞い、同時に悲鳴が舞った。
「サンジ!!それ取ってくれ!」
「ん…?うわっと」
海に落ちる前に慌てて右手で引き寄せた麦わら帽子は、すぽりと彼の金髪頭におさまった。サンキューと笑う船長をよそに、料理人は視線を上に向ける。さらりと靡く金髪から見える麦の藁。香りを嗅げば潮の香りがした。
「だいぶくたびれてんな…あ、かぶっちゃまずいんだっけか?」
「サンジはだいじょーぶだって何回も言ってるだろ!」
「仕方ねぇだろ、他の奴がかぶればお前ぶちギレるんだからよ」
「でもおれの仲間は特別だ!」
「へいへい」
適当に返事を返しつつ、料理人はやはりじっと帽子を見つめた。船長は、ん?と首を傾げる。
「サンジ?」
「……懐かしいなァ」
「何が」
「赤髪のシャンクス」
「えぇ!?お前シャンクス知ってんのか?」
船長の驚く様子に料理人はきょとんとし、瞬きを繰り返しながら、
「なんだよ、言ってなかったか?」
「はつみみだぞっ!!」
「…そうかい」
料理人はするりと麦わら帽子を外し、じっと見つめた。船長がその様子を見てニッと笑い、彼の背中にもたれ掛かる。
「話聞きてェぞ!」
「んあ?」
「お前とシャンクスの話聞きてぇ!」
「別に何一つおもしろくねぇし、お前飽きちまうだろ」
「飽きねぇしおもしれぇ!」
「…ったく、仕方ねェなぁ」
麦わら帽子を船長の頭にかぶせ、料理人はキッチンに手招きした。
「どーせ二人船番。おやつのついでに、話でもすっか」
「やったぁ!今日のは何だ?」
「夏らしくメロンシャーベット」
「おぉぉぉ!!」
歓声をあげる船長に苦笑しながら、料理人は先にキッチンに入っていく。船長は笑顔でそれに続いた。
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