Short2

□Wiener's kindness
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「ウインナーいるか?」


ある日の二人船番の午後、おやつにホットドックを平らげている船長を見て料理人が尋ねた。彼が持つフライパンにはこんがりと焦げ目がついたウインナーが乗っている。船長は嬉しそうに手を伸ばしかけたが、じっと料理人を見て、


「サンジィ」


「なんだ?」


「いっつも不思議に思ってたんだけどさ、ウインナーってぜぇんぶくっついてんじゃねぇのか?」


「あー…」


食うなよ、と警告をして、料理人は冷蔵庫からウインナーを取り出した。腸詰めされた長い長い挽き肉が冷蔵庫から現れる。おおお、と船長が歓声を上げた。


「これを縛って切ってけばウインナーだ」


「すっげぇ!!これ丸々焼いてくれ!!」


「焼くかバカ。それより、珍しいな。お前がそんなこと知ってるなんてよ」


「エースと一緒に食ったんだ!!」


船長がニッと笑えば料理人はアラバスタの記憶を手繰った。


「あー、お前の何十倍も礼儀正しい兄ちゃんか」


「失敬だぞ、お前っ!!」


船長の怒りっぷりにくくっと笑いながら料理人は船長の皿に焼きたてのウインナーを盛った。船長はかりっとウインナーをかじりながら、


「あん時のウインナーもすんげぇうまかったなぁ!サンジのウインナーもうまいけどっ!」


「おだてたってもうウインナーは出てこねぇぞ」


料理人は煙草をくわえ火を付けながら、


「で、なんで引っ付いてるウインナーを食うような機会があったんだ」


「肉屋のおっちゃんに食わせてもらったんだ!」


船長はウインナーをくわえて、ニッと笑い語り始めた。



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