Short2

□The happiest ship.
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朝早くサンジに小声でたたき起こされた。おれさま自慢の鼻をぐいっと引っ張られて。
まだ、ニワトリが鳴くかなかねぇか、そんくらいやけに早い時間だったんだ。時計を見てみれば、なんとまぁ、朝3時だ。眠たい目をごしごし擦りながら、起き上がったら、手をぐいぐい引っ張られてどっかに連れて行かれたんだ。


他の連中はまだぐーぐーと大きないびきを立ててて、寝てた。でも、サンジは構わずおれをぐいぐい引っ張った。


でもな、おれさま、ねむいんだ。おやすみ。おれは、引っ張られながら目を閉じた。


「てめぇ…!!」


おれに怒る声がして、サンジはおれの鼻を両手で掴み…。


「この鼻、フライにしてやる」


はなフライ。あぁ、なんだかおいしそうな響き。是非作って…。


って……はな!?


「鼻はやべでぇぇぇぇ!」


「ようやく起きたか、寝ぼすけ」


サンジは悲鳴をあげて目を覚ましたおれを見て笑い、キッチンの椅子にどかりと座らせた。きょろきょろと視線を回すおれの前の席に、サンジは座った。


「まずウソップ、本日は、まぁ、あれだ、誕生日、だな、おめでとう、だ…ニヤニヤすんなっ!」


そうか、今日はおれさまの誕生日だったっけ。目の前には黄色くラッピングされた袋が置かれている。あとであけろ、とサンジが赤くした顔を隠して鼻を、何故か絆創膏つきの指で引っ張りながら忠告をした。ちくしょう、サンジめ。こっちが照れらぁ。


「それで、だ。今日お前を起こしたのはだ」


本題来ましたか、なんでしょう、サンジ君。おれが首を傾げたのに気付いたのか、サンジは呆れたようにおれの前にどこか見覚えのある形のケーキを置いた。


「メリーの誕生日ケーキ」


「あ……!!」


「ようやく思い出したかねぼすけ、遅ェんだよ」


それみて、ようやく、思い出したんだ。
サンジにたたき起こされた、理由を。



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