Short

□Depend on you
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今日は雨か。


ざーざー降り仕切る雨を眺めながら、俺はキッチンで野菜を刻んでいた。

こんなじめじめした日には、なんかさっぱりしたもんがいいだろ。

というわけで本日は冷しゃぶに決定。


ルフィ達皆は買い物に出掛けている。

今日の船番は俺だけ。ナミさんがたまにはゆっくりしなさいってことで一人にしてくれた。


『いっつも、誰にも手伝いしてもらわずにサンジ君は一人で頑張ってくれてるんだから、たまにはゆっくりしなさい』


ホントに優しいなぁぁ!!ナミさんは!!


てわけで、俺は一人の休日をちょっとだけ満喫した。やっぱり麗しいレディや賑やかな奴らがそれなりにいないとな。


まぁ、奴らもそろそろ帰ってくるし…。
ちょっと早めに作ろう。


俺がテーブルの方を振り向いて、肉を置こうとすると、冷たい雨風が通り過ぎた。


そっちを見ると、キッチンのドアが大きく開いてる。おかしいな、開けた覚えはねぇんだけどなぁ…。


俺はたったと歩いてって、ドアに手をかけた。


………ん?


何だ、この違和感…。
背後に気配を感じて振り向いたが、そこには誰もいなかった。
でも、知らねぇ小さな声が聞こえた。


「……憎い…」


「誰だ!!てめぇ!!」


誰もいないはずのキッチンで思わず怒鳴り声をあげた。でも、反応なし。


「……気のせいなのか?」


俺は首を傾げてキッチンに戻ろうとした。


「憎いっ!!」


突然知らない奴の怒声が響いて、首に何かを引っ掛けられた。
何だ、この糸みてぇなの!細ぇくせに切れねぇ!
首がギュッと締まって、息がつまっちまう!


「…この…っ!!」


首に手をかけて糸に抵抗しながら、後ろ蹴りを放つ。でも、全然手応えがねぇ。
……このままじゃ、やられちまう!!


「無駄だ…。この力には抗えない」


目の前に大きな蜘蛛が見えた。
蜘蛛が…喋ってやがる。
悪魔の…実か?
理解するより先に、目の前が真っ暗になった。


……いったい…俺に、

…何の用…なんだ…。




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