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□こだわりの矛先の収穫
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「へぇ…」


市場の端にある八百屋の隣の、煉瓦作りで出来た建物に貼られたポスターを見つめてキャッチコピーを読み上げ料理人は感嘆の声を上げた。ポスターに載せられた絵はまるでその場にラーメンがあるように色使いが繊細だった。


「兄ちゃん興味あるのかい、大会」


「いや…どっちかっつーと…不可抗力?」


「何だそりゃ」


顔をしかめた料理人の頭を巡るのは以前レディ達と行った料理対決。片方は長年調理を夢みた目当ての魚を手に入れる為に、片方は海軍基地にて半ば流されるがままに料理対決を行わされた。


「乗り気じゃねぇのにいっつもなんかあって参加させられちまう」


「ぎゃははっ、じゃ今回もなんかあることを期待しとくよ」


酒屋の店主の笑顔に苦笑で返し、料理人はお金を払って店を後にした。ポケットの中には、酒と共に渡されたラーメン大会の申し込み用紙を捩込んで。



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