Short3
□Birthday present in nature.
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「今日はみんなでピクニックだぞ、ゾロっ」
居眠りしていたおれはチョッパーの声で起こされた。身体には毛布がいつの間にかかかっている。辺りを見渡してみれば、チョッパー以外の誰もいねぇ。置いて行かれたおれを、チョッパーだけが待っていたと考えるのが妥当だろうか。
「違うぞ、みんなもう行って待ってるんだっ」
今日のこいつはやけに機嫌がいい気がする。いや、全員そうだった。ワ食の朝メシの時からやけに上機嫌で、顔を常にほころばせていた上、ルフィやチョッパーが何か言おうとする度、誰かしらが口を塞いでいたような――
「何考えてんだっ?早く行こう!」
蹄でおれの腕を突いて来るチョッパー。地味に痛いが顔は綻んでいる。これは、上機嫌の現れだろう。おれは大人しく腰を上げた。
「どこでやるんだ」
「森の中だぞ!モミジやイチョウが綺麗なんだ!」
「そりゃ、楽しみだな。酒はあるのか」
「お酒は…あるぞっ!」
何か言おうとして、口を塞いで、チョッパーは言葉を付け足した。やはり何かおれに隠しているようだが、ぴくにっくの現場とやらに行けば、わかるんだろう。
「行くぞ」
「ゾロ!そっちは海だぞっ!」
「わ、わかってるよ!」
「こっちだっ」
巨大になったチョッパーが、おれの腕を引いていく。おれはため息をついて、チョッパーの横に並んでいくことにした。
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