Short3

□Clean & Nice Day
2ページ/6ページ



2月6日の朝。私を起こしに来てくれたのはコックさんだった。ナミは、って尋ねようとしたら困ったような顔をして「内緒」って囁いて。でも、


「お誕生日おめでとう、ロビンちゃん」


嬉しそうな笑顔を見せたコックさん。嬉しくてありがとうとしか返せなかった。やっぱりちゃんとお祝いをしてくれる、そんな実感が湧いてきて。
でも、私のお礼を聞けばコックさんはいつものように目をハートにしてはしゃぎだしたわ。


「ロビンちゃんに一番にお祝いが言えるなんて最高だぁ!!おれ、じゃんけんに勝って、ロビンちゃんのエスコート係になったんだぁ!!」


コックさんのこういう所を見るの、嫌いじゃないわ。だって、本当の心からの感情が顔に現れているもの。しばらくはしゃぎ続けた後、コックさんはようやく咳ばらいをして、私の前にさっと手を差し出した。


「もうみんな、準備してるんだ。よろしければ、おれにエスコートをさせてください」


そうやって優しく笑ってお辞儀したコックさん。私も思わず、笑顔になるの。


「着替えの後、お願いするわ」


そう頭を下げれば、コックさんもまたお辞儀をして。


「…喜んで」


本当に紳士みたいな素敵な言い方。私とコックさんは、顔を見合わせて笑い合った。



次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ