Short3
□Clean & Nice Day
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2月6日の朝。私を起こしに来てくれたのはコックさんだった。ナミは、って尋ねようとしたら困ったような顔をして「内緒」って囁いて。でも、
「お誕生日おめでとう、ロビンちゃん」
嬉しそうな笑顔を見せたコックさん。嬉しくてありがとうとしか返せなかった。やっぱりちゃんとお祝いをしてくれる、そんな実感が湧いてきて。
でも、私のお礼を聞けばコックさんはいつものように目をハートにしてはしゃぎだしたわ。
「ロビンちゃんに一番にお祝いが言えるなんて最高だぁ!!おれ、じゃんけんに勝って、ロビンちゃんのエスコート係になったんだぁ!!」
コックさんのこういう所を見るの、嫌いじゃないわ。だって、本当の心からの感情が顔に現れているもの。しばらくはしゃぎ続けた後、コックさんはようやく咳ばらいをして、私の前にさっと手を差し出した。
「もうみんな、準備してるんだ。よろしければ、おれにエスコートをさせてください」
そうやって優しく笑ってお辞儀したコックさん。私も思わず、笑顔になるの。
「着替えの後、お願いするわ」
そう頭を下げれば、コックさんもまたお辞儀をして。
「…喜んで」
本当に紳士みたいな素敵な言い方。私とコックさんは、顔を見合わせて笑い合った。
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