Short3
□naps.
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サニー号は春島の海域に差し掛かったと航海士が船員に告げた。雪が降らないことを拗ねる者やバカンスでもよかったと愚痴る者も居たが、いざ海域に入ると気候の気持ち良さに満足する者ばかりだった。
そんなぽかぽかと暖かい日差しが差し込む昼間のこと。
甲板ではいつもの船長、船医、狙撃手の三人が揃い仲良く釣りをしていた。
「釣れないなー」
船医がぴくりとも動かない釣り糸を眺めてしょんぼりする。釣りを始めて三十分、バケツの中はワカメやコンブでいっぱいだ。
狙撃手も欠伸をもらしながら釣竿を揺らす。
「魚達もさ、こう暖かいと昼寝でもしてんじゃねぇか?」
「えぇ!?魚も寝るのか!?」
「何言ってんだチョッパー。だから夜の海はいっぱい魚取り放題なんだぞー」
「えぇぇぇぇ!!」
「んむぅ…さがな、くいて…」
「あ、バカ!竿落ちる落ちる!」
たわいのないお喋りをしてた船医と狙撃手の横で、釣竿を持った船長が前に後ろに揺れる。目はとろんと眠そうで、狙撃手と船医はすっかり呆れてしまった。
「どうしよう、ウソップ」
「あー、寝かせといてやれよう。おれ達は釣りの続きしようぜ」
狙撃手は座っていた船長を何とか抱き上げて横にしてやった。暖かい甲板の上、船長はすやすやと幸せそうに眠る。船医は船長を笑顔で見た。
「ウソップー、おれ毛布とってくるなっ」
「おー。確かサンジがキッチンに何枚か置いてたぞ」
「わかったっ」
船医は請け合ってキッチンに駆け込んで行った。
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