Short3

□甘色の島の冒険
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そこは、甘い菓子の香りが漂う島。パティシエ島。多くの工場や工房が軒を連ね、ショーウインドーにはたくさんの菓子が立ち並ぶ。


キャンディが好きなあなたは飴ゾーンへ。ふわっふわのわたあめにつるつるのりんご飴、美しい飴飾りもすべてここに。


ケーキやパイが好きなあなたはケーキゾーンへ。この街屈指のケーキ職人が最大段でかつ美味いケーキに毎日挑戦中。焼きたてのパイもあなたをお出迎え。


アイスやチョコが好きな方はスイートゾーンへ。カカオの香りやクリームの香りが町全体に広がってあなたの鼻孔を刺激します。


ワ菓子が好きな方はワゾーンへ。ワの国から広がったもちもちの柏餅や厳かな砂糖菓子。お抹茶と共にどうぞ。


上にお目当てのない方はその他ゾーンへ。ふわふわマシュマロ、マカロン、クレープ、クッキー…とにかく菓子全般がお出迎え!


揃わない菓子などありません!是非、パティシエ島に上陸した際は海賊でも一般の方でもお楽しみいただけることをお約束致します。


※この島では海軍の上陸を禁止しております。海軍で上陸したい方は上着を脱いで、手錠や武器を捨てて、おいでください!この島の国王は海軍が嫌いですので――



「いきてぇっ!!」


甲板にて、上のように書かれたちらしを見て開口一番船長はそう叫んだ。料理人が慌てるな、とちらしをひょいと摘んで、


「ナ、ナミさん、ロ、ロっ、記録のルートだよね」


「あんたも行きたがってんの?」


「ナ、ナミさんやだなぁ。お、お、おれぁ別に、色んな菓子の製法なんかき、気になってないよ」


「気になってんじゃない」


「ナミ、意地悪しないで教えてあげたら?」


考古学者がひょいとちらしをつまみ上げながら笑う。きらきらと目を輝かせている船長と平静を装い切れてない料理人を見て、航海士は小さなため息をついて、


「この島は、次の島よ」


「いやったぁぁぁ!!!サンジィ!」


「いやったぜ、船長!」


大喜びする二人を見て、航海士は口元を緩めた。みんなに知らせてくる、と船長は張り切って走っていき、料理人は鼻歌混じりに料理に戻っていく。


「何事もないといいけど」


「やめてよーロビン」


「ふふっ、何かあった方が楽しくなる…かしら」


航海士と考古学者が一抹の不安を覚える中、甲板にて、船長が叫ぶ。


「次の島は、おかしの島だァ!!」



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