Short4
□Chocolate Fondue
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「じゃあ、ロビン。待ち合わせは噴水よっ」
「えぇ」
「負けないからねっ」
「ふふっ、もちろんよ」
ロビンは相変わらずの様子で噴水からゆっくり歩き出していったのが2時間前。まったく、意気がってる私がちょっと子供みたいじゃない。もう!
私とロビンは今、ある島の町に来ているの。目当てはもちろん2月の14日のバレンタインにむけてのチョコよ。もちろんお返しは10倍はもらうけどね。
でも、ただチョコレート選ぶだけじゃおもしろくないじゃない?だから、ロビンと話して競争することにしたの。どっちがかわいくておもしろいチョコレート選べるかって、ね。
そうしたらロビンもいいわって言って、2時間後噴水の前で待ち合わせ。私は完璧なのをもちろん選んでるわ。どんなに完璧かって、ロビンに見せるまで内緒よ。
「お待たせ、ナミ」
「あら、じっくり時間かけたのね」
「えぇ。勝負ですもの」
さらっというロビン。相当自信あるみたいね。でも私も負けないわよ。そう箱を出そうとしたら、
「……!」
びっくりするような出来事が、二つ同時に起こったの。どんな、出来事だったと思う?
二人が選んだのは、同じチョコレート。噴水を象ったチョコレート。ただし、味は違ってて。小さな小さなドライストロベリーや、オレンジピールが噴き出すチョコに乗っていて、小さなそれがたくさん詰まっているチョコレートなの。
でも、言ったでしょ?二つ不思議なことが起こったって。
チョコレートを見せた途端ね、待ち合わせの噴水が噴き出したの。まるで、よく見つけましたって、いうみたいにね。
――――
「これも噴水だし、レディ達との運命を感じるぜぇ!!!!」
チョコレートフォンデュをくれたお礼に。その話をしながらサンジ君にチョコレートをあげたら、涙を流して喜んだ挙げ句こう言ったの。確かにこれも立派な噴水だもんね。サンジ君の涙も噴水みたいだけど。まったく大袈裟なんだから。
「にしてもナミとロビンが同じチョコ選ぶとはなー」
「微妙に違うわよ。ロビンがドライストロベリーで私がオレンジピール。だからお返しは二人分でどっちも十倍」
男共がぴたっと固まった気がしたけど、気にしない。気にしない。
「フォンデュ機械手伝ったから三倍にま、まけ…」
「…うーん、5倍ね」
ウソップがさらに顔青くしてたけど、乙女のお返しにしたら安い安い!
「あ、サンジ君にもお返ししなさいよ」
「んなっ、お、おれはい」
「だーめ、もらえるもんはもらっときなさい」
まったく変なとこで遠慮するんだから、サンジ君は。ロビンも笑いながらそうしなさいって言ったら、サンジ君は納得したみたいに頷いたけど、ウソップとチョッパーは真っ青。こら、ゾロとフランキーとブルックとルフィは何素知らぬ顔してんのよ。フランキー以外あんた達は10培よ。
「お、おれ達」
「破産するぅぅぅ!!!」
男達の悲鳴を聞いて笑いながら、私とロビンは顔を見合わせて、困った顔をしているサンジ君の肩を叩いてからマシュマロを頬張ったの。どうしても無理そうなら、三倍にまけてあげるわよ!
<END!>
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