Short4

□family life
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第一話

よぉ、元気かいレディ達。あー、野郎は帰れ。

おれぁ、麦わら一家の次男のサンジってんだ。年は・・・大学生くれぇかな。まぁ、細けぇこと気にしねぇでくれよ。

・・・っておいおい、不良ってなんだ不良って。おれぁ不良になった覚えなんてねぇぞ。そりゃ時々ファッションを認めねぇ奴を蹴飛ばしてはいるけどよ。タバコもそりゃあ吸うけどよ。そんくらいで不良ってのはちと横暴だぜ。だいたいな・・・。

「おや、サンジさん、何されていらっしゃるのですか?」

おっと、邪魔が入っちまったな。

話しかけてきたのはブルック。 ホネの身体で動くおれのじいさんだ。だが、ブルックじいちゃんなんて言おうもんなら叱られる。まだ90代だとかなんだとか。まだってなんだ、まだって。

それより骨に突っ込めって?そりゃそうか。めずらしいよな。
これは、悪魔の実ってもんを食っちまったためにそうなっちまったらしくてよ。なんか不思議でくそまずい実らしくて、食ったらカナヅチになるのと引き換えに妙な能力がついちまうってもんらしい。世界中のあちこちにちらばってるもんだからか、うちの家族の四人が何気なく食っちまってんだ。やれやれ。

「や、煎餅やいてたんだよ。ブルックも食うか」

…あぁ?口調気になるか?基本、うちの家族は好きなように名前を呼ぶんだ。なんでかって言われても生 まれながらにそうだった気もするし、違った気もするし。まぁ、家族ってそんなもんだろ。…適当?そんなこたぁねぇさ。

「はいー!いただきます!」

ちなみにおれの趣味は料理・・・趣味ってか、職にしようと勉強してるんだがな。とにかく得意で好きってことだ。そういうわけで、この一家のメシからおやつまで食関係はすべておれが面倒見てるんだ。ほら、ちゃんと家族の面倒見て。不良じゃねぇだろ?な?

「ヨホ、サンジさんの焼きたての煎餅は美味しいですねー」

縁側七輪で焼く特製せんべいをばりばりとからっぽの口の中に生えた丈夫な歯で噛み砕く光景はもう慣れちまったな。ついでに表情がねぇはずなのにちゃんとある顔も。いやぁ、本当におもしれぇじ いさまだこと。あ、これ言ったらしかられるな。

「いいお天気の日はなおさらですー。あぁ、生きてるっていいなぁ!」

今日は確かにいい天気で気持ちがいい。絶好の洗濯日和だ。干したエプロンがすぐ乾いちまったしな。

「ちなみに…今日は満月らしいぜ」

「ヨホホ、それはことさらお煎餅が似合いますね!」

「丸いからか?」

「丸いからです」

縁側でそんなくだらねぇことをいいながら煎餅をまったりとかじる。少し沈黙が漂っても心地いい。うちの家族ならではの時間。あぁ、こんなゆったりとした時間もたまには悪くねぇ―――

「サンジー!!大変だ!!」

って、また邪魔が入ったか。
ゆっくりレディ達に 家の中を紹介しようと思ったが、また今度だな。

―――
こんな感じで一人一人紹介していきます。
パラレルって難しい!


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