Short4
□28日からのbirthdayproject
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2月28日、PM10時。
いつもならゆったりとした時間が流れるアクアリウムバーだったが、この日は重苦しい空気が流れていた。
「サンジは?」
「風呂に行ってる。あいつ長いからしばらくは大丈夫だ。モモとキンも一緒だし」
「え?モモ二回目じゃねぇか?」
「ナミ達とモモが風呂に入った後、許すまじ!とか言ってキンがまた風呂に連れ込んだんだよ」
「熱い風呂で稽古してやる!とかなんとか」
「よくわからない理由ね」
「トラ男は?」
「シーザー見張ってるぞ。話があるとかなんとか」
「なら、いいけど」
そういう航海士の顔も悩ましげな顔に戻った。狙撃手はうーんと鼻をぴくぴく揺らして、悩んだ声を漏らす。
「なんで2月って28日までしかないんだろうな」
「短すぎるな。おれ達職人にとっちゃあ」
船大工が狙撃手の言葉に同調するようにうんうんと頷く。
「そ、そ、それでどうするんだ?」
「ど、ど、どうしましょう」
船医と音楽家が顔を見合せあっておろおろしている。
「何がだ?」
「あのな、聞いてないのか」
別の方向について悩んでいる船長に、剣士は呆れ顔になって、ちらと考古学者の方をみる。考古学者は、ため息混じりにこう言った。
「よく聞いてね、ルフィ」
考古学者の声にこくんと頷けば、彼女はこう言った。
「計画してたサンジの誕生日が、できないの」
『28日からのbirthday project』
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