ぺ
□【語らい】side鹿
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『明日に備えて寝る』
そういって寝床に入るテマリを
横目で追った
もしほんの少しでも手が触れたらそれが合図
砂の里になんて帰してやらない
だから目は見なかった
淋しさを堪えた目が俺を捕らえたら
俺は抱きしめるだろうから
そしたら
もうムリだ
帰してなんてやらない
理性なんかいつもギリギリの状態なんだ
「はぁ…」
だけどそんな合図がなくても
隣の布団に寝るテマリに手を延ばすのはすぐで
縁側に寝転ぶ体をゆっくりと起こした
すると、同時にテマリから気配が無くなって
規則正しい寝息が聞こえてきた
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