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□【おそろい】
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空はどんなに澄んでいても、風が冷たい冬
「テマリちゃん、ちょっといいかしら?」
『何ですか?』
ヨシノに呼ばれ、玄関の隣にある客間に入っていくテマリ
それを縁側からみつめるシカマル
時刻は夕飯前
一通り夕飯を作り終えたヨシノは、客間で何やら趣味に没頭していたのだ
『これ、ヨシノさんが?』
「えぇ、よくできたらテマリちゃんにあげようと思っていたのよ…」
『すごい‥』
2人の嬉しそうな話し声は聞こえるものの、一枚の襖に遮られて姿は見えない
「シカマルは要らないって言うからね。」
「きっと、帰り道に役立つわ」
今日はテマリが木の葉での任務を終えて、砂に帰る日
いつも通り奈良家で夕飯を食べて日が落ちる頃に帰る予定だった
すると襖がスッと開き、小さな紙袋を持ったテマリと
嬉しそうに微笑むヨシノが出てきた
「あら、シカマル。起きたなら夕飯よ!お父さん呼んできなさいっ」
襖から顔を出した時の微笑みはどこにきえたのやら
テマリには優しいけれど、やっぱりシカマルには厳しくて
そんな事を思いながら、シカマルは父親を呼びに行った
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