□【通路。2】
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「夢、か‥」


隣ですーすーと安らかに眠る女の泣き顔を

まぶたの裏で見た





頬を撫でると、少しみじろぐ



「わりぃな‥」





そっと口付けると、眠りからゆっくりと覚めたようにまぶたが上がった


『なんだ‥?』


「起こしちまったか?」


『別にいいけど‥』


といいながら、俺の頬へ手を持ってきて





『何かあったのか?』




と言った





「お前が泣いた夢を見た」


そういうと、フッと笑って

『シカマルが泣かせたんだ、きっと』

と手を握った






『男が女を泣かせちゃまずいんじゃないか(笑)?』





寝起きの掠れた声





『どうした』

「泣くなよ」

『泣いてないよ』




あの顔は

きっと辛そうに


悲しみに暮れて泣く顔





でもあえてそれを知らせずに

紡ぐ言葉に困ったから



苦し紛れにキスをした






『眠い』

「俺も」




手を繋いだまま、君と2人眠りに入る



幸せな夢を見るために





Fin.

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