ぺ
□【片想い】
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「もう、任務はじめてんのかよ」
『あぁ、お陰さまでな』
この間まで、重たいお腹を抱えて家で過ごしていたけれど
出産という大きな行事を乗り越えて、普段の生活へと戻った
「許されてるのかよ。忍の任務なんかして」
『外交のみだ。戦闘要員としては認められていないからな』
我ながら笑えてくる
あれ程嫌だった家庭に入り、好きでもない男の子供を産んだ
けれど
「幸せか?」
『愛し愛されてはいないが、産んだ子供が男だった事が唯一の救いだ…』
そう紡いだ言葉に、シカマルは微笑した
もし、
『もし、生まれてきたのが女の子だったら。耐えられなかっただろうな』
愛してもいない、愛されてもいない男に抱かれるのは
身を引き裂かれる思いだったから
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