こ
□【傷と恋心】
3ページ/5ページ
縫うほどに深い傷を、大丈夫だと言ったテマリ
そして、女の体を縫うと言う事実
そう考えているうちに、テマリが診察室から出てきた
『待たせたな…?』
「いや、どうだった?」
『4針縫っただけだ。』
「そーか。」
俺にしてはあんまりにもそっけない返事だったかもしれない
『なんだ、女の体に傷が付いたとか言わないんだな』
テマリはふっと笑って俺の顔をのぞき込んだ
「忍びに傷は付き物だ」
待合室の椅子から腰をあげ2人揃って病院を出た
「忍びを好きでやってるお前を止める権利なんてないしな」
『そうか。』
そういいながら、自嘲ぎみに笑って俺は言葉を続けた
「それに、お前の裸を見るのは俺だけだしな」