こ
□【慈しみ】
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「あんな可愛い顔、他の誰にも見せるんじゃねーぞ」
本当は、笑った顔も怒った顔も泣き顔も、全部全部見せたくない
でもテマリを囲うわけにはいかないから
誰にも見せないように、誰の目にも触れさせないようにするわけにはいかないから
せめて俺と肌を重ねる時の顔は、唇を合わせる時の顔は
俺だけの顔でいてほしい
誰にも見せないでほしい
『ん‥シカマル?』
「起こした?」
うっすらと目を開けて、少し眠そうに言葉を発したテマリ
『いや、寒い…』
俺が起きた事で布団にすき間ができて、テマリの肌をすっかり冷やしてしまった
「わりぃ。」
『いや、大丈夫‥。でも、私が寝るまで暖めてくれるか?』
テマリはそう言って、俺の胸にすっぽり収まった
「あぁ、朝まで暖めてやるよ‥」
俺はそう言葉を返して、テマリを抱き締めながら眠りについた
Fin.
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