□【裏、表】
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『こんなものを持っていたら、砂の忍に殺される』


だってそれは、霧の刻印が刻まれているのだから




『よく聞け。これはおまえが大事に持ってなきゃダメだ』


『でも、大人になるまで誰にも見せちゃいけない』





子供の腰にあるポーチにしっかり額当てをしまってやると、


テマリは子供の肩に手を置いて話し出した



『親は殺されたかもしれないが、おまえは生きるんだ』



『いつか、その額当てをおまえがつける日まで、もう泣くな』





掴んだ肩を離して、今度は肩を強く押す


『あと2分したら、私はおまえを殺す』


先程とは全く違う、鋭く威嚇するような目付きで





『わかったら、ひたすら逃げろ。森を抜ければこの国を出られる』





そういうと、テマリは目をつぶって


数を数えはじめた






『1、2、3、…』








子供の足音が聞こえなくなるまで数えると

テマリは後ろを振り向いた
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