09/03の日記
14:41
気付くまであともう少し
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クロスは酷くイラついていた。
理由はわからない。ただ弟子のアレンが自らの愛人の息子と仲良くしているのが気にくわないのだ。
アレンは基本的に人見知りの激しいヤツだ。そんなアイツが俺の愛人の息子といっしょに腹を抱えながら笑いあっている。
ああ、イラつく。
「おい、アレン。お前今日の分の修行はやったんだろうな。」
俺が低い声で訊くと、アイツは顔真っ青にして、飛び出して行った。
あの野郎、俺の言いつけを忘れるとは。
あとで修行のノルマ追加決定だな。
俺は煙草を取り出して火をつけた。
「お弟子さんも大変ね。」
いつの間にか洗濯を終わらせたエレナが俺の隣に来ていた。
「うちにいる間は少し修行を休んでもいいんじゃない。」
「いいんだよ。それに怠けさせたらヤツのためにもならん。」
俺がそう答えるとエレナはクスクスと笑った。
「何がおかしい。」
「フフ、だってなんだかクロス様。」
娘に悪い虫が寄り付かないようにする父親に見えたんですもの。
娘の男が毛嫌いする父親みたいだと?
冗談だろう。
このイラつきそんなんで片付くものじゃねぇ。
気付くまであともう少し
想いは少しづつ増え続けていく
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