頂き物

□夕凪燦榎様より
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気がついたら目線の先で追っている…でも自分の気持ちが知られたくなくて反らしてもいる、恋ってそういうものだ。


「沖?」

「……っ」


気付かれちゃったかな…オレの気持ち


「な、何?」

「いやさっきから見てるなーって思って…オレの気のせいかもしんないけどさ」


お願い、そのまま気のせいだと思って…そうじゃないとオレの心臓は今にも破裂しそうで怖い。


「あ、ははは…」

「まあ沖に見られて嫌な気はしないけどね」


そういって西広はニッコリと微笑んでまたノートの方へ視線を移した。
その笑顔と言葉にオレの顔はきっと真っ赤になってるんだろうな…見られなくて本当に良かった。

いい加減西広見ないでオレも勉強しなきゃって思うのに…気がつくとまた見てる。
だって勉強してる時の西広って本当にかっこよくて、いや野球してる時の真剣な眼差しもいいし、ボール捕った時の嬉しそうな笑顔も大好きだし…


(オレはどこぞの乙女か、この野郎…///)


なんだか恥ずかしくなって、持っていた教科書に顔を埋めていた。


「あの、西広くん」

とそこへ見たこともない女子がやってきて西広に話しかけていた。
彼女の手の中から手紙が西広に手渡される。

なんて古典的な…じゃなくて!!これってまずいんじゃないのかとオレは心の中で問う。

見た感じ彼女は本命ではなさそうだ…そうでにきゃ好きな人相手に平然とできるわけがない。
オレは廊下の方へ目をやるとそれらしき女の子が立っているのが見えた。

恥ずかしそうに顔を赤く染めてこちらをちらちらと見ている…自分でくればいいのにな、そんなことを考えているうちに西広に手紙を渡した女の子はいなくなっていた。

困った感じの彼の表情を見るとどうやら無理矢理渡された感じがする。
西広は優しいからこういったのを断ることなどできないと思う。
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