†開カナイ扉†
□水色ノ空
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空のこの綺麗な水色は、どこまでも続いてるような気がする
そんな世界に、人工的に作られた一本の白い雲が、足跡を濁しながら駆けていった
こんなにも静かでゆっくりとした優しい世界なのに、人々は皆下を向き、働き蟻のように毎日毎日同じ事を繰り返している
それって楽しい?
空を見上げてごらんよ
地面に咲くタンポポが微かに揺れて、ボクの声が届いたのか、一人の女性がふいに空を見上げた
途端にふわっと女性の体が浮き上がり、ボクの前へ現れた
女性はボクにお礼を言うと、白い雲を一蹴りして澄み渡る水色の中へと消えていった