黒紫蝶[コクシチョウ]
□第一部 第六話 友と影
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銃声。弾に吸い込まれていく、黒い光の粒。
カラン…と、乾いた音を立てて弾が落ちる。
胡蝶は息を荒げていた。
「はぁっ……はぁっ………」
「お、やじ……」
「悪霊が、殺したのですね。その方を」
そこには、さっき落ちた弾丸と、大量の血液、店主の男が着ていた衣類。そして、砕かれた骨。
強く握りしめていたと思われる、胡蝶の黒い、笛。
何故気付かなかったのかと、疑われても仕方ないであろう惨劇の後だった。
「守れんかった……守ってやるって、約束したんに………」
「胡蝶…」
「………………………」
「ウチっ………最悪やっ…………」
「おい、華桜。休戦だ」
「休、戦っ…?」
「怜翔、あなたという人は……仕方ありませんね……」