過去拍手

□ハロウィン♪
1ページ/1ページ




〜ハロウィン〜♪




「姫君、トリックオアトリート。」

今日はハロウィン。


「お菓子をくれなくちゃ…」


一年に一度の…


「イタズラするよ。」

おやつ大収穫祭〜!!!

楽しい楽しい一日になるはずだった。

……なのに。


「なんでヒノエが先に言っちゃうのよ!!私が最初に言うはずだったのに〜!」


まさかの彼から先手を奪われてしまうという失態。

これじゃあお菓子貰えないじゃない〜。

とうのヒノエは期待満々な満面の笑みで私を見ています。


「姫君、さぁどっち?」

「うぅ〜〜。」


不満そうな眼差しを彼に向けてみても、軽く流されてしまう。

くっそぉぉ〜!

悔しい〜!!

でも無視すると後が怖いからなぁ〜。


「あっ!でもお菓子、さっき弁慶さんにあげたので最後だったからもうないんだった!!」

「弁慶?」

「うん、さっき弁慶さんもお菓子かいたずらか聞いてきて…それで。」

「ふ〜ん、そうなんだ。」


私が発した『弁慶』という単語に瞬時に食らいついてきたヒノエ。

はっ!?しまった!!

ヒノエにこの単語は禁句だったんだった。

やらかしてしまいましたよ。


「弁慶には渡したのに、俺にはないと。そう言う事だね?」

「えっ?」

「いい度胸だね?姫君。」


キャーーー!!

ヒノエにスイッチ入っちゃったみたいだよ!?

嫌な予感がした私はすぐさま警戒体制に入る。

しかしもう遅かったようだ。

私は見事にヒノエの腕の中にがっしりと捕まれており、気づいた時には身動きが取れない状態に。

もう逃げられまい…。


「まさかっ!!」

「お菓子がないなら仕方がないだろう?それにいま俺はすっごく傷ついているんだけど。」

「ごっごめんなさい…。」


ヤバい!この顔は本気だ!!

もう逃げられない〜。


「わかってるだろう?姫君。」


ゆっくりと近づいてくるヒノエの顔は、鼻がぶつかるんじゃないかという所で一度止まって、最後に締めの一言。


「姫君、気絶はするなよ。」


ぎゅっと目を閉じると降りてくるヒノエの唇は、生暖かい感触がする。

さらば、私のハロウィン……。

さらば、私のお菓子たち………。





〜おわり〜



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ