過去拍手
□ハロウィン♪
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〜ハロウィン〜♪
「姫君、トリックオアトリート。」
今日はハロウィン。
「お菓子をくれなくちゃ…」
一年に一度の…
「イタズラするよ。」
おやつ大収穫祭〜!!!
楽しい楽しい一日になるはずだった。
……なのに。
「なんでヒノエが先に言っちゃうのよ!!私が最初に言うはずだったのに〜!」
まさかの彼から先手を奪われてしまうという失態。
これじゃあお菓子貰えないじゃない〜。
とうのヒノエは期待満々な満面の笑みで私を見ています。
「姫君、さぁどっち?」
「うぅ〜〜。」
不満そうな眼差しを彼に向けてみても、軽く流されてしまう。
くっそぉぉ〜!
悔しい〜!!
でも無視すると後が怖いからなぁ〜。
「あっ!でもお菓子、さっき弁慶さんにあげたので最後だったからもうないんだった!!」
「弁慶?」
「うん、さっき弁慶さんもお菓子かいたずらか聞いてきて…それで。」
「ふ〜ん、そうなんだ。」
私が発した『弁慶』という単語に瞬時に食らいついてきたヒノエ。
はっ!?しまった!!
ヒノエにこの単語は禁句だったんだった。
やらかしてしまいましたよ。
「弁慶には渡したのに、俺にはないと。そう言う事だね?」
「えっ?」
「いい度胸だね?姫君。」
キャーーー!!
ヒノエにスイッチ入っちゃったみたいだよ!?
嫌な予感がした私はすぐさま警戒体制に入る。
しかしもう遅かったようだ。
私は見事にヒノエの腕の中にがっしりと捕まれており、気づいた時には身動きが取れない状態に。
もう逃げられまい…。
「まさかっ!!」
「お菓子がないなら仕方がないだろう?それにいま俺はすっごく傷ついているんだけど。」
「ごっごめんなさい…。」
ヤバい!この顔は本気だ!!
もう逃げられない〜。
「わかってるだろう?姫君。」
ゆっくりと近づいてくるヒノエの顔は、鼻がぶつかるんじゃないかという所で一度止まって、最後に締めの一言。
「姫君、気絶はするなよ。」
ぎゅっと目を閉じると降りてくるヒノエの唇は、生暖かい感触がする。
さらば、私のハロウィン……。
さらば、私のお菓子たち………。
〜おわり〜
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