短編小説

□不要なマリオネット*
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「た……助けてくれ!何でもする、だから……。」


目の前の男は怯えた顔で俺に助けを求めている。

そんな惨めな姿を晒してまで生きたいか。

俺には到底理解できそうもない。

銃の狙いを男の左胸に定める。

男の目が大きく見開かれたが、そんなことは気にせず無言で引き金を引いた。

目の前が真っ赤に染まる。

別に、罪悪感も嫌悪も感じない。

だからといって、この行為に快感を覚えるわけでもない。


これが、俺の「役目」だから。


――ルルルル


この場に似つかわしくないコール音が静寂の中に響いた。

ジーンズのポケットから、携帯電話を取り出す。


――終わったか?


名乗りもせず、たった一言。

それでも誰からなのかは分かった。

俺に電話をかけてくる人なんて、ただ1人だから。


「はい。」


――そうか。では、次の奴の情報を送る。


そう言い終わったかと思うと、すぐにメールが届いた。

1人の男の写真と、その男の住所などの細かい情報が記されている。


――できそうか?


「もちろんです。」



(――俺は、あんたの人形ですから。)


指定された人間を殺す。

それがあんたにとって、どんな利益があるのか……

そんなことはどうでもいい。

ただあんたのために、俺は生きる。


感情を持たない、マリオネット――

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