小説

□ジェネ思考
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一口にモビルスーツって言ったって、ピンキリもとい月と太陽くらいの隔たりがあるんだから!






ジェネ思考。










「余ってる機体?」
「ああ、鹵獲機で良いんだけど。」

ロウは持っていたファイルから顔を上げて問い返し、シローは頷いて肯定を示した。
ラー・カイラム格納庫の一角、そろそろEZ-8から作ったスーパーガンダムでは戦力的にきつくなって来た為に、乗り換えを予定しての事である。


「ああ、…一応、全系統の基礎機体なら一通り控えてるぜ。連邦系ならジムもあるし、リガズィかジェガンでも作るか?」
「んー、でも其の2機は確か、汎用武器が狙撃武器だったよな…」
「格闘武器の方が良いって?」
「出来れば。」

提案に若干の難色を示され、だったら…とロウは記憶を探る。

注文の通り、シローはやや近接戦寄りのパイロットだ。
バーニィやドモンのような極端な格闘の専門家ではなく、寧ろ数値上では格闘と同等に狙撃でも優秀なのだが、単に性質的な問題なのだろう。



「連邦系、アナハイム社製にこだわる必要はないんじゃないか?」

ふと、そう声を掛けられて二人が同時に視線を向ければ、アムロがキラを伴って此方に歩んで来る所だった。
さりげない現れ方だが、ソフトハード共にMS構築に関してはロウと肩を並べる技術者兼ニュータイプ最強を囁かれるパイロットと、ソフト面、OSとプログラムに関しては専門家以上の絶大な知識と技術を誇り同じく最高のコーディネイター説を保有するパイロットの登場である。


「少尉…いや、シローなら、他系統の上位機体でも充分乗りこなせるさ。」
「それは……どうでしょうか。」

各勢力から人が集まりまくった此の部隊でそんな事を気にしても仕方ないから、と階級には余り頓着しないよう常よりアムロ本人が言っているが、骨身に染み付いた軍人気質からの口調で、シローは照れ臭げに謙遜してみせる。


「俺も少し前、手ブラで合流した時はアッシマーに乗せられて、微妙な気分だったけどそこそこ戦えたものだよ。」
「………」
「へぇ、俺が居りゃメガビーム追加装備してやったのにな。」
「ロウさんは大型火器持たない機体には大体付けますもんね、メガビーム。」

 
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