小説

□ジェネ思考
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遠い目で語られるしょっぱい記憶と派手改造の初歩はともあれ、他系統。成程其の手もあったかとシローは思案する。
優秀なメカニック達のお陰か、技術体系が全く違う機体でも、武装装備其の他の相性さえ合えば、乗る事が出来るのだ。

尤も、キュベレイやνガンダムを始め、「乗れるけど使えない」装備がある機体も様々にあるのだが。


「丁度、エターナルに積んであるMSが一機空いてるんです。格闘重視機体なんですけど火力も高いんで、いかがですか?」

実は部隊内、ロンド・ベル内で、オーブ軍総司令でもあるカガリを除けば最も高い、准将の階級を姉の七光りだと自称しているとはいえ持ってもいるキラが微笑みながら提案する。

「エターナルに?」
「はい、此の前乗り換えがあって。解体するのも遊ばせておくのも勿体ないんで……余り物みたいな言い方で、申し訳ないんですが。」
「そんなの気にしないって。でもそうか、ザフト製か…」

ザフト製、と言って直ぐに思いつくのはジンやゲイツといった量産とはいえ中々侮れない機体群だ。
モノアイで、後続機であるザクファントムやグフイグナイテッドはジオン機体を踏襲している為に少しばかり引っ掛かりもあるが、そこはそれ、敵とだって解り合えると軍法裁判所で宣言した揚句にアイナとも結ばれたシローの事。それこそ気にしても仕方あるまいと思い切り、頷く。


「そうか…取り敢えず、其の機体を見せて貰えるか?」
「はい、勿論。」
「俺も一緒に行くよ。元々、キラに近接戦が得意なパイロットが居ないかって訊かれて此処に来たんだしな。」
「お、なら俺も行くぜ!機械の事ならお任せってな。」

次の戦闘は未定だが、空いている時間に出来るだけの事をしておくのが、パイロットとメカマンの務め。
こうして四人はローテーションの都合を付け、ラー・カイラムからエターナルへと移動したのであった。
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