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□強攻誘拐
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目を開けるとそこは暗い部屋の中だった。

まだ目が慣れていないらしく、周りの景色は全く分からない。

身の危険を感じ姿勢を整えようとした時、不気味なほど静かな部屋にカシャっと金属音が響いた。

どうやら手錠を掛けられているらしい。
流石に両手が使えないと動きにくい。
なんとか壊せないものか。


「あっれー?エースくんじゃね?」

「……!?」

手錠を壊すことに集中していて誰かが部屋に入って来た気配に気がつかなかった。

目は少し慣れてきたようで暗闇の中を僅かだが見渡せる様になっている。
だがそのシルエットに見覚えはない。

「……誰?」

「うわーショック。忘れちゃったー?王子だよ王子。しししっ」

王子?
誰だそれは。

前にも会ったことがあるような言い草だが、他人のことなんて興味もない雲雀は余程の例外以外覚えていない。

「ここは何処。早くここから出して」

「あーそれは無理。だってお前をここに連れてきたのオレじゃないし」

徐々に近づいてきたそのシルエットは雲雀の顎をくいっと上げた。




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