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□君の顔が見たいだけ
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いつも通り机に重ねてあるプリントの山。
草壁が入れてくれたお茶。
窓から見える木の上の鳥の巣。
静かな校舎。

去年と同じ。
通常だ。

なのに。


「ねえ」

「ん?なんだ雲雀」

「なんで君がここにいるの。
年明け早々君の顔なんて見たくないんだけど」

まだ冬休みなのに山本武は僕の応接室に当たり前のように居座って、自分で入れたらしきお茶を飲んでいた。

「でも俺は見たいのな、お前の顔」

「…、意味分からない」

ほんとにむかつく。

「そう眉間に皺よせんなってー。
まあそんな顔も可愛いけど」

「ワオ。君今すぐ眼科行った方がいいね。
僕が良いとこ紹介してあげるよ。そこで眼球綺麗さっぱりくりぬいてきてもらったら?」

「そんなことしちまったら雲雀が見えなくなっちまうだろ」

両手で眼鏡をつくるように丸め覗き込む彼は相変わらずの爽やかな笑顔。

「見なくていい。てか消えて僕の視界から。
半径五十メートル以内に近づかないで」

広いな範囲と彼は笑ったが、僕はシカトしてトンファーを構えた。




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