Zoro×Usopp

□星に願いを
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夕暮れの甲板の隅。目の前には気持ちよさそうに眠るウソップの姿。

ゾロはその姿をかれこれ5分ほど眺めていた。
ウソップのお気に入りのオーバーオール。その肩紐がずり落ち、むき出しになった細い肩。


こりゃなんだ。
わざとか?
おれを試してやがるのか?


だいたいコイツは無防備すぎる、と時々ふにゃふにゃと笑うウソップを見下ろしながら思う。
素肌にオーバーオールなんて危険極まりない。
誰かに突然襲われたりしたらどうするつもりだ。


出来る事なら、箱に入れて鍵をかけて。閉じ込めてしまいたい。
そうすれば、他の誰のものにもならないだろうか。
自分だけのものでいてくれるだろうか。

無防備だと言いながら、その肩にさえ触れられないくせに、感情だけが先走る。

でも。
肩に触れた手を振り払われてしまったら。
拒絶されてしまったら。
それが怖くて踏み出せない。
らしくなくて笑ってしまうけれど。

それでも、こうして眠っている時なら触れられるかもしれないと、ウソップの隣にしゃがみこみ腕を伸ばした。

「…ん〜……む……」

眠っているウソップの眉間にシワが寄り、わずかに口が開いた。
ゾロが伸ばした右手が、ウソップの左頬、その数センチ手前でピタリと止まる。

「…あ…?…ゾロ?」

「悪ィ…起こしたか?」

目を開けたウソップに、伸ばした腕を戻すタイミングを失う。
まだ半分眠っているウソップに気付かれないように、ゆっくりと右手を移動させて行く。

「…ん…夢みてた…」

「…夢?」

「ん。ゾロの夢」

一度開いた目をまた閉じて、体をゆらゆらと揺らしながら微笑んだウソップが、降ろしかけたゾロの右手をぎゅっと握った。

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