short novel
□会長のチョコは誰のもの!?(後編)
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ヒナギクは過去に一度だけテラスに立った事がある。だが,一人で立ったわけでなく,ハヤテに手を引かれやっと立てたのだ。負けず嫌いのヒナギクにとってそれは立った事にはならず,ましてや「ハヤテと立った事がある」なんて美希に言ったらそれこそ取り返しのつかない事になるため,この事はあえて伏せておくのだ。
「わ,私だっていつか立てるようになるわよ
」
「ふ〜ん。あっ
そろそろ始まるぞ
。」
ヒナギクは納得しないまま向き直した。
一方,その頃ハヤテは選手控え室で出番が来るのを待っていた。とは言ってもハヤテは一番最後なのでまだまだ出番はないのである。
尚,ハヤテが一番最後なのは美希が裏で手を引いているためなのだが,もちろんハヤテは知るよしもない。
「はぁ。やっぱり緊張するな……。あっ
あれは……。」
モニターには東宮康太郎が写っていた。
「東宮さんも出てたんだ……。」
その時,康太郎の主張が始まった。
「桂さん
僕は貴女にふさわしい男になります
だから……だから僕と……て,手を繋いで下さい
」
(((うわぁ……。ヘタレは治ってなかったなぁ〜
)))