short novel
□寒い冬……暖かい心……
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時は12月25日午前8時半。
ハヤテは待ち合わせより30分も早く来ていた。ヒナギクと付き合い始めてから約一ヶ月。なので,お互いに早く来ることは知っている。
暫くすると桃色の髪をなびかせながら少女が歩いて来た。
「ハヤテ君お待たせ」
「いいえ。僕も今来たところですでは行きましょ……。」
ハヤテは言い終える前に視界が暗くなり意識を失った。
「……テ君。…ヤテ君。」
(………ん誰かが僕を読んでるような……。)
「ハヤテ君」
ハヤテはゆっくりと目を開けてみると目の前にはヒナギクが立っていた。
「ヒナギクさん……ここは」
ハヤテは見慣れぬ光景に戸惑いながら尋ねた。
「私の部屋よ。全く,ここまで運ぶのに苦労したんだから……」
「そうか。僕……待ち合わせ場所で倒れて……。」
「そのまま,私に背負われてここに来たってわけ。」
ハヤテは聞き終わるとすぐに起き上がった。
「ヒナギクさん出掛けましょう僕なら大丈夫……。」
(バサッ)
ハヤテはヒナギクに倒され布団をかぶせられた。
「んなわけないでしょう今日はゆっくり休みなさい」