戦国際〜トリップとはこれ如何に〜

□戦国際〜戦国からの剃刀レター〜配達編
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あれは確か11月の末の事だった。
私はリビングに一つしか無い炬燵を飼い猫達(×12)に占領され、一人寂しく湯たんぽを抱いていた。
別にすきま風が入ってくるようなあばら屋に住んでる訳じゃない、が・・・


「・・・あの毛玉ども」


奴らはあんなに暖かそうなのに、それでも更に暖を取ろうとするのだ。
こちとら毛なんぞ剃り落としてなんぼって訳で、寒いのに。
いや私は普段毛深い訳では無い、断じて。
むしろこう、餅のような色をしているから少し目立つだけであって・・・いや餅のように膨れている訳では無くて。
・・・とにかく人間様は頭髪ぐらいしか無いんだから寒いんだよって話ですよコンチクショー。


「・・・」



あの毛玉ども、引っ張り出して説教してくれるわ!!


立ち上がり、毛玉の巣窟と化した炬燵へ向かう、その時

カサッ、カタン

郵便受けの方から音がした。
換気の為に窓を開けておいたのがいけなかったのか。


「・・・命拾いしたな」


気になってしまったら探究するべきだ。

どこぞのなんとか先生の言葉。
ただのダイレクトメールかも知れないが・・・私が住んでいるのはアパートの二階だ。
・・・鉄で出来た階段のあの煩いカンカンと鳴る音など全く聞こえなかったし、此処に来るまでの足音も聞こえなかった。

そりゃ気になるってもんだろな!
相手は忍者か?ん!?
取り敢えずミステリー好きの血は騒ぐが誰もいないか確認しよう!!怖いからな!!

と、心の中でテンションを上げてドアに付いたレンズを覗く・・・よし、誰もいない。
が、その時、

ドスッ

「ぎぁぁっ!?」


な、何何何!?
あし、足に何か・・・!!


なぁ〜ぉ

「・・・」


この・・・毛玉めっ!!
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