戦国際〜トリップとはこれ如何に〜
□戦国際〜戦国からの剃刀レター〜開封編
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「ふぃー・・・」
あの後何とか毛玉どもを退かし、炬燵に足を突っ込むことに成功したナマエ。
「全く、誰の炬燵だと思ってんだか・・・」
冬場に炬燵を前にした猫にそれを理解させるのは無理な話である。
その追い出された猫達(×12)は只今彼女の周りで抗議の声を上げている。
が、そこはナマエ。
慣れたものでスルーもとても華麗で流麗なものであった。
「取り敢えず、開けるか」
ナマエの目の前には茶封筒。
持った感触で何かしら硬質な物と分かる。
「・・・重い」
手首が疲れたので机の上に立ててみる。
すると厚みのある封筒は綺麗に起立して・・・
ビリッ
底が抜け・・・
ドザーーー・・・
「うぉあぁああっ!?」
大量の針が出て来たのである。
「な、なななななんだこれ!?」
驚いたナマエは思わず立ち上がろうとする。
みゃー、ぎにゃー・・・
まあ当然膝のあたりに滑り落ちた針は横に流れていく訳で。
次の瞬間には猫大パニックの修羅場が完成していた。
ミ゙ャー
ニ゙ャー・・・
「・・・うん」
だが慌てる13匹の猫達を見て逆に落ち着いたナマエ。
冷静に先ほどの針を見てみる事にした。
「あ・・・」
針の先は潰れていた。
こっそり親切設計である。
「まあ、じゃなかったら刺さってるよね・・・」
大量の猫が走り回る中で、なんとも気楽なものである。
「ん?なんか・・・彫ってある?」
ナマエは針の潰された先端の方を見る。
「・・・13?」
別の針も取り上げてみる。
「108・・・煩悩かよ」
ナマエは他の針も見てみる事にした。