戦国際〜トリップとはこれ如何に〜
□戦国際〜寒い国で出会ったサムい人〜
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「まさしく愛だ!!」
「はあ・・・」
ナマエです。
助けて下さい、なんかサムい人に絡まれています。
そう、その人と出会ったのはつい30分程前の事・・・
〜回想始め〜
「・・・ん」
ひどい寒さで目を覚ます。
・・・なんだろう、此処。
立ち上がってみて・・・
見渡す限りの白銀世界。
思わず座り込む。
ぼけーっと周りを見るしか出来ないってこういうのを言うんだね☆
・・・うん、マジどうしよう。
「あ」
左手に感触。
私はあの針を握っていた。
「・・・30本ぐらいしかないけど」
これはあれか、なんか事件フラグかな、もう起きてるけど。
まあでもこれなら・・・上着のポケットに針をいれる。
あ、これなら目立たないし・・・。
「・・・ん?」
白一面の中、今なんか動いた気がした。
え、なんか見えないけど・・・ウサギかなんか?
にしちゃ人ぐらいでかかった気が・・・。
「大丈夫か!?」
「うおぁあっ!?」
よ、横から来るとか卑怯でよ!?(←混乱してます)
「・・・生き残りか?」
「・・・はい?」
なんだろ、この保護色なお兄さんは。
生き残りかそうでないかと言われれば少なくとも幽霊では無いですが。
「先日この近辺で雪崩が有ったと聞いてな・・・」
「は、はあ・・・」
い、いきなりなんでしょうか・・・。
「村が一つ潰れたと聞いた・・・」
そう言って悲しそうに顔を歪めるお兄さん。
うわ、なんかこっちまで切なくなる表情だな・・・。
「・・・大切な人でも、いたんですか?」
「ああ・・・」
此処までは良かった。
今になって思えばこんな質問せずにさっさと立ち去れば良かった。切実だ。
「私は越後の民全てを愛している故に・・・」
「まあ、それは・・・」
立派な心構えだなあ、うん。
・・・だけどなんか嫌な予感。
「だが、そなたが生き残っていてくれた!!」
ハイキター、お決まりのお涙頂戴コースですね。
こういうノリちょっと苦手なんだよな・・・。
「い、いえ、私何で此処にいるのか分からなくて」「!!記憶を失っているのか!?だが不安に思うことなどない、この直江兼続が来たからにはもう大丈夫だ!!」
超自信に溢れた様子で胸を張る直江さん。
いやいや、アナタがいても何が大丈夫何ですか、それ初対面で言われてもあんまり説得力無いよ・・・。
その時、座り込んでいた私の丁度目の前の雪が動いた。