戦国際〜トリップとはこれ如何に〜

□戦国際〜捕らぬ狸が皮算用〜
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「・・・主」

「おお!連れてきたか」


・・・うん、分かった。

目の前のなんか丸いおじさんは徳川家康だ。
・・・絵でしか見た事無い人間が動いてるのってなんか凄い違和感。


「・・・女、主の恰幅の良さは・・・気にするな」


当の主に聞こえないように忍者さんが囁く。

・・・意外に気を使ってくれるタイプなのかも知れない。

あ、このおじさんが徳川家康なら


「忍者さんは服部半蔵?」
「!?」


忍者さんが抱えていた私を落とす、というか投げた!?


「うわっ・・・」


いやいや、ビックリしたんだろうけど!そうなんだろうけど!!
ちょ、なんか天地が逆さまっ、あれ、なんでか景色がスローモーションに見える・・・

次に来るのは痛みだ、そう反応した体が衝撃に備えて筋肉を硬直させていた、けれど


「・・・何をやってらっしゃるのか」


ぼすっ、と音がして、一先ず床に打ち付けられる痛みは回避出来たのは分かった。
が・・・


「全く、襖を開けた瞬間に人が飛んでくるとは思いもしませんでしたぞ」

「・・・すまぬ、忠勝」

「・・・」


・・・って、


「・・・つかぬ事をお聞きしますが」

「なんだ?娘」

「あなたは戦国最強と言われた本多忠勝サマでしょーか・・・」

「!」


本多忠勝さんは驚いたようにこちらを見下ろす。

(・・・今度は投げ出されなくて良かった)

この人に投げられた際の受け身の取り方なんてさっぱり分からない。(というより、戦国最強にぶん投げられて平気な人なんていたら見てみたいよ)


「・・・やはり」


変な静寂を持ってしまった部屋の空気を壊したのは徳川家康さんだった。



「天海上人の言っておられた事は正しかったわ」



その瞬間、本多忠勝さんの顔が渋面を作ったのが凄くよく分かった。
ちなみに服部半蔵さんは・・・とっくに臨戦態勢を解いて静かにしている。

つか・・・へ?


謙信様が居たのに・・・天海上人もいるの?
明らかに時代が可笑しい。
天海上人の出番は本能寺の変が起きた後だから・・・謙信様はいなくなってる筈。


・・・歴史が狂ってる?

そういえば、

ふと考える。


この戦国時代を終わらせたのって、


「(誰だったっけ・・・?)」
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