目をつむって10秒間...

□□嘘つき
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雑音混じりの音

だけど、ハッキリ一言だけ聞こえた

「杏に・・・・・OKされたわ!」

「え・・・」

そして周りの音がまた五月蝿く聞こえ出す

「それだけ伝えにきた、んじゃーな」

顔を赤らめニカッと笑う陸に「おめでとう」も言えなかった



帰り道、あたしと一緒に帰ってるのは杏

「あの・・・・・さ・・」

勇気を振り絞って聞くべきか・・・・・

杏は告白された事をまだあたしに言ってない

「ん?」

杏が首をかしげながらあたしを見る

「・・・・・陸に告白された・・?」

「っ・・・・・」

杏の顔が一瞬歪む

「・・・・・うん」

申し訳なさそうに頷く

「あ!でも、もちろん断ったよ!?」

え―・・・・・?

断ったって・・・・・え・・?でも、陸は・・・・・っ

バチッ

ふいに杏と目があった

あからさまにそらされる視線


ねぇ・・・・・杏、どうして嘘ついたの?

あたしの事思って? そんなに可哀想?

大好きな杏・・・・・大好きだった杏・・・

けど




「嘘つき」



心と言葉がリンクしたのと同時にあたしは走りだしていた



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