ごちゃまぜ

□あおぎり君とれいき会長
1ページ/7ページ

あいつはずるい。















窓の外を見るとそこは庭で
奴はそこにいた。
木の枝に横乗りしていて、その下にはツインテ少女がその様子を見ている。
何をしているのかとよく眺めると少女の目には涙があり、奴の手にはぬいぐるみがあった。
あれは少女が大切にしているぬいぐるみだ。
その状況を不信に思い庭に行く。

「何してんだ」

ふいに声かける。
と、奴は自分をみてふっと笑んだ。
何故笑われたのかわからずイラッとする。

「その年になって苛めか。情けないな」

はん、と鼻で笑ってやる。
それを聞いた少女が自分を見上げた。

「っそ、」
「Fraeulein」

奴がそう言うとぬいぐるみを少女に投げつけ気づいた少女はわたわたと受け取った。
そして口元に人差し指を立てる。
それを見て少女は不満そうな顔をしたが頷いた。

『       』

そう、少女は呟いてその場から走り去った。
なんて言ったのかよくわからなかった。
多分、ドイツ語だろう。

「で、せーと会長殿は私をどうするおつもりで」

ふと奴が喋りかけてきた。
子供をなだめるような、優しい言い方。
その言い草にさらにイラッとくる。

「処分されたいのか」
「どうぞお好きに」

笑むと木から降りて立ち去ってしまった。
その行動の意味がよくわからず首を傾げるが、自分も自分の行くべき場所を思い出しそこへ向かった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ