短編
□雨
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最近は雨の音で起きている。ここ末永く雨は懲りなく降り続けている。そしてこの男は懲りなく毎日俺を起こしにくる。
「あ、睨んだでしょー?ちゃんと起きない高杉くんが悪いんだよ?」
そう俺の担任、銀八だ。
「…黙れ白髪天パ」
「白髪じゃないし、銀髪だし。てか高杉くんそんな言い方ないんじゃないの?」
「白髪も銀髪も変わらねぇだろう」
「変わりますぅー、ほら早く着替えて」
先生まで遅れちゃうでしょうと一言つけた後部屋から出てってしまった。
高杉は一人で行けばいいだろうと心の中で思いながらも早く用意してしまう自分はあの白髪天パに甘いんだと思う。
顔が自然と笑顔になってしまう。
「ほら、高杉行くぞー」
先にいっちゃうよ〜と銀八はヘルメットを器用に回しながら玄関前に立っていた。
高杉はカバンを持って、恋人の元へ走ってった。
「ちょ、銀八待てよ!!」
高杉は銀八の背中に腕を回した。
高杉はふっと空を見上げ呟いた。
「雨止んだな…」
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