短編
□大嫌いのち大好き
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「…」
高杉は屋上にいた。雲一つない空を見ながら高杉はさっきの出来事を思いだしていた。
高杉はいつも銀時と一緒に帰っており待っていたのだがなかなか来ないので捜しに行こうと校舎に入ったら、
「!」
あの大好きな銀髪が女とキスしてるところを見てしまい、見ていられず、気がつけば、走っていた、逃げていた。
分かっている、銀時からしたわけじゃないと、でも自然と高杉の目から涙が流れた。
廊下にいたら、銀時が来てくれた、嬉しいけど、悲しい、そんな想いをかき混ぜながらちっとも思ってないことを銀時に言ってしまい、最後には…
「…ッ」
高杉は情けなくて、泣けてきてしまった。
銀時には悪いことを言ってしまった。俺が抑えとけばいいことだったのに、無理だった。
そんな俺にもう嫌になっただろう?銀時…でも俺は
「好きでしょうがないだよ、コノヤロー」
「誰がコノヤローだ」
「…銀時?」
「…ばか野郎ッ」
ねぇ、
銀時、泣いてるの?
銀時の目から綺麗な涙が一粒落ちた。
「ごめん、ごめんな高杉」
銀時は優しく高杉を腕の中入れそのまま抱き締めた。
「高杉は、堪えてくれてたのに、俺は…」
銀時は全然悪くないよ、
「俺が我慢すればよかったんだ、だけど無理だった!俺は…」
俺は…
「銀時が誰かの者になるのが怖くて」
だから逃げ出したんだ。今起きてることを忘れたくて。
「銀時、ごめん…」
おれはこういうヤツなんだ。
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