小さな話
□炎と風と、
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彼が振り返って笑うと、
火の粉が空を舞った。
「寒いね、…」
長袖のトレーナーの上に分厚いフリースを着ているというのに九月の山は冷たい
つい最近夏休みが終わったというのに…。
いつも見ていた空と繋がっているとは思えないほど高い星空を見上げて、ため息をつくと白く小さな煙が目の前に広がった。
せっかく楽しいキャンプの夜なのに、伊達ちゃんは遊び疲れて、ちかちゃんの背中で熟睡している。
ちかちゃんが伊達ちゃんを背負いなおして笑った。
「…平和だなぁ」
ちかちゃんの言葉に慶次が振り返ると竹中さんがぽつり、と呟いた
「昔と大分変わったよね」
元就さんが空を見上げた。
つられて顔をあげると、一つの星が真っ暗な空を駈けていった。
「…ねぇ旦那、」
赤いハチマキ、赤いフリースの、真っ赤な背中。
たき火の準備をしていた彼が振り返って季節外れの向日葵みたいな笑顔。
「なんだ、佐助。」
暖かい、たき火の光が旦那をまぶしいくらい照らしていた。
優しくて、冷たい風が僕らの間をすりぬけた。
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何だこりゃ(´∀`)
こんな駄文を読んでくださってありがとうございました!
鳴波