SS置き場

□試験
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朝まで、教室内は二十人程の生徒がいたが、現在残り五人までに減少していた。

今、その五人はそれぞれの体を机や椅子、鞄、生徒の死体や地で彩られた教室内で息を潜めている。

夜が明ければ試験が終わる、などそんな甘い制限は存在しない。

誰か一人が生き残るか、全滅するまで、この試験は終わらないのだ。

そうなればいい――そう彼らは願うが、それは叶わぬ望み。

友達を殺してまで、卒業する気はない。しかし、殺さなければ殺されるのだ。
それぞれがそう考えているとは限らない。
相手の心の内などわかりはしないのだから。
どれだけ相手の事を考えていようと、結局は自分の身が可愛くて仕方がない。


ザシュッ。

静かな教室内に、鈍い音と生臭い匂いが漂った。

それが合図だったかのように、張っていた緊張の糸が途切れ、それぞれの気配が手に取るようにわかる。

音のした方向に視線を送ると、つい先程まで生きていたクラスメイトが倒れていた。
病気ではなく、睡魔に襲われたわけでもなく、殺されていたのだ――首根っこを切り落とされた状態で。
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