SS置き場

□試験
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校内で銃声が響いた。


物騒な音が響いたのは、都市から数百キロ離れた場所に存在する、まだ創立して間もない学園からだ。
そこは、政府が知られないよう秘密裏に建てられた『犯罪者育成学校』である。

人に見つからない盗み方を教える『泥棒科』。

完全犯罪の組み方を教える『策士科』。

確実に人を欺く方法を教える『詐欺科』。

依頼された獲物を確実に暗殺する方法を教える『暗殺科』。

人を殺す精神を鍛える『殺人科』。

以上五つの学科で成り立つこの学園で、本日で九回目の卒業試験が行われている。

上から四つの学科までは、既に試験が終了し帰宅しているが、『殺人科』の生徒はまだ試験が終わっておらず、深夜を過ぎた現在も続いているのだ。

朝から始まり、現在に至っても終わらない理由は、試験内容にある。


教室内でのみ殺戮を許可する。
この試験は最後に一人が残るまで終わらない。
しかし、教室外での殺人、他の学科の生徒を殺した場合は失格とし、殺害対象にする。
そのため、全員失格の場合、今年も卒業生は無しとする。
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