conto
□天罰
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「っっ‥!」
声にならない悲鳴を出したのは泰楽だった。もう何度目か分からない。ただただ、引かない熱をお互い持て余している、というのが現状である。
そんな中、荒く浅く呼吸を整えようと忙しく肺を動かしている泰楽にトシは唇を寄せてキスをした。突然呼吸手段を奪われた泰楽は目を見開く。
だが、そんな泰楽を気にもせずトシはまず最初に下唇を舐め、舌をゆっくりと入れる。その際胸を叩かれたが繰り返されすぎた行為に身体は麻痺を覚え、痛みと認識しなかった。 しつこく歯列をなぞり、舌をつついたり、軽く噛んだりとトシは泰楽の口の中を存分に楽しんでいる。
一方泰楽は酸素を十分に吸えず目眩を覚え、苦しそうに唸った。いつもそう。しつこい位に身体を重ねた後にこれでもかというくらい泰楽の唇に蜜を送る。
トシにして見れば気だるい雰囲気を濃密なものへと変えたいだけなのだろうが、泰楽は疲れきった身体を休めたい気持ちで一杯だった。
本より、泰楽はキスが好きではなかった。特にトシとするキスは頭がボゥッとしることがあるから苦手である。と言った事も忘れているのか、夢中でキスをした。
「っ…ト、シ…」
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