conto

□ある暑い日の出来事
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「あっちぃ…」

そう言ってうだうだ寝転がっているのは現在、この家の主の和樹。本来、家の中にいるのに「暑い」なんて単語は出てこない。
それは涼しい物があってこその話だ。でも今和樹の居る部屋は30℃を超える猛暑。嫌でも暑いと言いたくなる。

では何故和樹は「暑い」と言ってるのか… 答えは一つ。
クーラー及び、夏の暑さを乗り切る家電達が使えないからだ。

「くっそー。なんで今日に限って全部修理に出すんだよ…」

「……」

「あっちいな、畜生…」

少しでも熱を逃がそうと団扇で頑張ってみるがそう簡単に熱は逃げない。
熱気で思考回路も怪しくなってきた。

「あっちぃ…」

「和樹…あんま、暑い連呼…しないで…」

「んなこと言ったってよー…」


和樹と同じようにこの蒸される室内で暑さを耐えているのは和樹と友達の雅也だった。 だか、雅也は低体温だった為、少し暑いくらいとしか感じなかった。
だが、隣で「暑い」を連呼されれば少ながら今思っている以上に暑く感じる。

「雅也…お前が羨ましいよ…。」

「…オレだって…暑い…」

「よく言うよなー。汗もかかねぇでよ…」

「…でも…っ…!!」





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